青と思い出と猫二匹
髪の青色が薄くなってきたころ、
わたしとそうちゃんの住む家に二匹の猫がやってきた。
実家から連れてきたその子たちは、最初は不安だったものの今となってはすごく落ち着いてくれているようで、心底よかった。
平日のお昼は割と、写真左の子がいつも添い寝にくるのだ。
ぴとっとくっついて、わたしの腕をざらざらの舌で毛づくろいし、腕枕で寝る。
精神的に参ってる時、いかにこれがわたしのこころを癒しているか 本人は判っているのだろうか。
気づけばわたしは緑っぽくなった髪の色にほとほと嫌気がさし、また色を変えた。
わたしは昔とは変わったなと思う。
人間だし、そりゃあ変わるものではあるのだろうけれど、
昔なら何の加工も施していない、ましてや化粧でごまかしていない自分の写真なぞインターネットの海にはのせられなかった。
べつに、だからと言ってありのままの自分を愛せるようになったんです!とか そんな大きな変化はないし、
むしろ自己肯定感は低くなるばかりなのだけれどね。
ただ自分のことを、愛せるなら愛してやりてえなあ、と思う気持ちはできた と思っている。
最近、すごくニューヨークのことを思い出すことが増えた。
当時は引っ越しやらなにやら、同時進行の物事が多すぎて、バタバタしていたから
振り返る思い出もなんだか味気ないというか、思い返す余裕なんてちっともなくて。
でも最近思うのは、やっぱりあれはわたしにとって非日常で、
そんでもって かけがえのない時間であったんだろうなあ、と。
ニューヨークに居たとき、すこぶる調子がよかったわけではなかったし、
毎日カメラの向こうで笑ってない自分ばかり見返して、落ち込まないわけではなかった。
でもどうしてか今はあの日々が、時間が、いとおしくて、
英語が全くできなくて苦しんだことなんてどうでもいいくらい、ただ 戻りたい、って感情が大きいのだ。
そろそろ終わろう、
最近は家族のことで悩むことがとても増えたよ、
桃がおいしい季節になって
わたしはまだまだひとり、 動けないでいる。